蛍三七子
こんにちは、パパです。オコジョがようやく記事を書いてくれたと思ったら、…ですか、はあ。でも、本人はかなり悩んでの「腐女子決別宣言」ですから、そういうことで、温かく見守ってください。オコジョは、マンガ道の「王道」を目指す決心を固めたみたいですから。
実は先日、日光市で開催された「ちばてつや原画展」を、オコジョと一緒に見に行ったんです。我が栃木県には、マンガ学科のある宇都宮文星芸術大学というのがあり、ちばてつや先生は、そこの教授をつとめているのです。そんな縁で、今回の展示会が開催されたわけです。
いや~、凄かったですよ。ちば先生のデビュー当時の少女マンガの作品から、出世作「ちかいの魔球」「紫電改のタカ」、私にとっては懐かしい「ハリスの旋風(かぜ)」、そして「明日のジョー」の原画もありましたよ。あの有名なラストシーン(真っ白に燃え尽きたジョー)の原画の前では、思わずしばらく足を止めて見入ってしまいました。
そんな中で、個人的に嬉しかったのは、「蛍三七子」(ほたる みなこ)の原画でした。個人的には、ちば先生の短編では最高傑作だと思っている作品です。調べたら、発表されたのは1972年9月の「少年マガジン」でした。私はこの作品をリアルタイムで読んだので、小学生の頃ということになります。実家の向かいの床屋で、待ち時間に読んだ記憶があります。
主人公はのんべの大学生、昔飲んだ芋焼酎の味が忘れられなくて、田舎町にやって来ます。ところが、そこは工場の進出によって、かつての静けさが失われ、騒がしい町に変わっていました。主人公は、ふとしたきっかけで、男勝りの不良少女のような三七子と出会います。(この出会いの場面の描写なんか、いかにもちばてつやっぽくて好き)そして2人はやがて心を寄せ合い…という感じの、ラブストーリーです。ちば作品では珍しい(というか、他にあったか?)キスシーンが描かれますが、これがまたいいんだ。
しかし、キスシーンのあとは、一挙にこの作品のもうひとつのテーマである「蛍」をめぐる、感動的なラストシーンへとなだれ込んでいきます。ラストの蛍が乱舞するシーンの美しさは、マンガ史上に残る名シーンだと思ってます。とにかく切なく、美しく、そして考えさせられる作品です。だれか、映画化しないかな。
ところでオコジョですが、ちばせんせいの原画を私以上に食い入るように見てました。見終わっての感想は「すごすぎて圧倒された。マンガの王道の壁がいっそう高く見えるようになった」でした。でも、高い目標だからこそ、やる価値も高いのだ。頑張れ娘よ!
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