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2009年7月

この世界の片隅に(完結)

前回は、オコジョの久しぶりの記事でしたが、いかがでしたか?エヴァンゲリオン新劇場版「破」は、私も楽しめました。

さて、今回は、長らく宿題になっていた、こうの史代の「この世界の片隅に」の感想です。この作品の下巻が発売されたのは4月末で、 その日に購入して夢中で読みました。
圧倒されました。 すぐにでも感想が書きたかったのですが、書けませんでした。
あまりにも感情が高ぶってしまい、何から書いてよいのかもわからなくなってしまったのです。

すぐにオコジョにも読ませました。 しかし、オコジョはなかなか読まず、 「早く読んで返せ」と言いつつ1ヶ月が経過、 6月にようやく手元に本が戻ってきました。
そこで、上巻から再び読み返すと、 次から次へと新しい発見がありました。
そして、さまざまな伏線や、最初に読んだ時には気付かなかった作者の隠れたメッセージやらが浮かんできて、 また圧倒されてしまいました。 そして、また感想が書けなくなってしまいました。 こんな経験はついぞありませんでした。

そんなこんなで今ごろになってしまったが、この作品についてあらためて書いてみたいと思います。 中巻を紹介した時に私は、「この作品は「夕凪の街」の被爆者たちが、 そこに至るまでの暮らしの様子を、 戦時下の生活や世相を細かく紹介しながら、 ていねいに描いていく作品なのでは」、と思いました。 たしかに中巻までは、淡々とした流れで、戦時下の暮らしぶりが、 主人公である「すず」の嫁生活を通して描かれていきます。

しかし、中巻の途で遊郭の女性「りん」が登場するあたりから 作品の空気が微妙に変わってきます。 夫「周作」と「りん」の過去に気付き、揺れるすずの心。 実家の兄の戦死、幼なじみの出征、空襲の始まり… そして、下巻で一気に物語は転換します。
呉大空襲に巻き込まれた「すず」は、大切な人と大切な自分の一部を失ってしまいます。 そこで「すず」の世界は一変してしまいます。世界は、「すず」にとって「歪んどる」ものになってしまうのです。 それは「まるで左手で描いた世界のよう」(P60)なのです。

最初に読んだ時は気付きませんでしたが、この回から後の背景は、ひどく歪んで不安定な線で描かれています。それは「すず」に見える「歪んだ」世界そのものであり、(こうの史代は、本当に左手で背景を描いたらしい) そして広島への原爆投下、時をおかずに敗戦となります。 「すず」は多くの失ったものや記憶を抱えながら、戦後を生きはじめるのですが、歪んだ世界は、もう二度と戻らないのでしょうか?

私は、このままこの作品が終わってしまうのだろうか?と思いました。それならそれで、悲劇的な作品として完結するだろう、と思いながら読み進めていました。ところが、作者は最後に、素晴らしい展開を用意していたのです。 多くの大切な人や、大切なものを失った「すず」の「世界」が 再び生き生きと あらわれる瞬間が、ちゃんと用意されていたのです。
ネタバレになるので、詳しい内容は自粛しますが、その最終話で、私は号泣してしまいました。 マンガを読んで号泣し、その感動で圧倒されたのは、本当に久しぶりでした。
こうの史代の出世作である名作「夕凪の街・桜の国」にも感動しましたが、この最終話を読んだ時の感動は、それを超えるものがありました。
素晴らしい!
今年発表されたマンガのNo1なのはもちろんですが、後世に残る名作の誕生といえます。 ぜひ3巻通して読んで欲しいと思います。

実は8月に、家族で広島へ旅行することになっています。原水爆禁止世界大会への参加を兼ねた旅行です。オコジョも、原爆の事に興味を持ち始めているし、良い時期だと思います。呉まで足を伸ばす時間は無さそうですが、この作品と「夕凪の街」を家族で読み返してから 訪れたいと思います。

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アンタバカァ?※ねたばれ注意

お久しぶり諸君。私は帰ってきた、帰ってきたのだよ!中学生とは多忙だねェ…部活が死ぬほどめんどくさいよ…うん。最近はグリーに入りびたりであしあと増やしてます。ハンネ違うけどね。やっと10000いきそうなんだよねん。

劇場版新世紀ヱヴァンゲリヲン:破 を見て来ました。

ヤバイな面白い。オススメです。冒頭からぐっと引き込まれましたねはい。新キャラのマリが可愛いですね、ちょっとヘンなところとかツボります。声が坂本真綾ってのも…ツヤがあっていいです。てかリメイク版はシンジが旧エヴァよりネガティブじゃない(笑)そのせいかシンジがとっつきやすいキャラクターになっとる…なんか可愛いっすね。

レイもめちゃくちゃ人間っぽくなってる。シンジから味噌汁をもらった時の『…おいしい』の顔は忘れられません…。すごくすごく可愛いです、はい。レイのシンジに対する思いやりもすごくきゅんってきました。シンジ愛されてるなぁ。

アスカはかわいそうでしたね…。個人的に好きなキャラなんで見てて辛かったです。レイの食事会のときも自分から試作機に乗り込んだし…『そっか、私 笑えるんだ』の後の展開は本当に息が詰まりそうでした。レイが幸せそうにしている分、アスカがすごくかわいそうで…。加持さんにラヴなアスカの設定は消えましたね、ずっぱりさっぱり。ちょっと最初違和感あって「あれ?」みたいな。

ヱヴァは機体とか色とか変わっててびっくし。やはり零号機の色は…うん。前のが断然いい。

色々言いたいんですけどとりあえずまた序と新世紀エヴァンゲリオンを見直そうかとマジで思った。ユーチューブにいこう…うん。

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PLUTO完結!

こんにちは、パパです。
浦沢直樹が手塚治虫の「鉄腕アトム」の「地上最大のロボット」の巻を 完全リメイクした作品「PLUTO」(プルート)が、完結しました。 先日、単行本の最終巻になる8巻を購入したので、一気に読み返し、 ついでに元ネタである「鉄腕アトム」も読み返し、感慨を新たにしたところです。

いや~素晴らしい作品でした。 手塚治虫の、しかも鉄腕アトムの、 その中でも一番人気を集めたエピソードをリメイクするというだけで、 大丈夫か?と思ってしまうところなのに、
原作のテイストを十分に活かしながら、 浦沢作品として見事に成立させてしまっているのに、まず感心しました。こちとらアトムで育った「アトムの子」(by山下達郎)ですからね、 中途半端なリメイクでは感心しないぞ、と思っていましたが、 これには脱帽でした。 手塚作品へのオマージュとしても理想的だと思います。  

一番大きな特徴は、 主役を、アトムではなくロボット刑事のゲジヒトに変更していることでしょう。 ゲジヒトが、世界的なロボットの連続破壊と、 奇怪な連続殺人事件の双方を捜査しながら、 自身の「消された記憶」を手繰っていくというミステリー仕立てで 物語が進行していきます。そして、肝心の「プルート」は、 なかなかその姿を現さず、全貌が現れるのは7巻の後半になってからというじらしぶりです。

さらに、設定にイラク戦争を思わせる世界情勢を加え、 (イラク→ペルシャ、アメリカ→トラキアと、国名は変えてありました。もちろん未来の話です) 原作ではプルートを使って世界制覇を狙うのは 一人の王の野望だったのに対して、世界の真の黒幕は誰か?というミステリーも加わっています。

また、同じ鉄腕アトムの後期エピソード「青騎士の巻」の要素も複雑に加えれれています原作の「青騎士」のエピソードは、「正義の味方」で「科学の子」という アトムのパブリックイメージを嫌った手塚が、「人間に反抗するロボット」 というテーマで描いた問題作です。 「PLUTO」でも、「ロボットは憎しみ、悲しみといった感情を獲得することで、より完全な心を持つ」というテーマが貫かれており、 それが物語に深みを与えているのです。ちなみに、このテーマが最初に原作で使われたのは「電光人間の巻」でしたね。

作者のこだわりは、プルートに倒されるロボットの順番が、ゲジヒト以外は原作どおりであったり、 ヒゲオヤジ、田鷲警部、中村捜査課長らの脇役の描き方、 アトムやウラン、お茶の水博士らの描き方にも感じられます。 細かい小ネタもちりばめられており、手塚ファンなら、それらを探す楽しみもあります。

そして、きわめつけは「ブラウ1589」でしょう。 このモデルが青騎士だということに気づいた時は、かなりの衝撃でした。

とにかく読ませる傑作です。 ストーリーテラーとしての浦沢の凄さを示した名作でしょう。
ぜひご一読を。

あ、その前に原作も読んでね。

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FLIP FLAP

あ~あ、6月は結局1回しか記事を書けませんでした。オコジョは全然書く気ないし…

ということで気を取り直して、今回もパパです。今回紹介するのは、とよ田みのるの「FLIP FLAP(フリップ・フラップ)」です。なんとピンボールのマンガですよ!出会いは例によって「アフタヌーン」でした。短期連載されている後半だけをチラッと読んだら、何だか妙な熱気を感じ、気になって仕方ない作品になってしまいました。そして先日、単行本をゲット!一気に読んで(1巻完結ですが)、見事にはまりました。

ストーリーは至極単純、高校卒業の日に憧れの同級生山田さんに告白した深町君が主人公、ところが山田さんは、交際の条件として、あるゲームセンターのピンボールで、最高スコアを出すことを提示するのです。深町君は、戸惑いながらもピンボールに挑戦し、腕を上げ、いつしかゲームそのものにのめりこみ…といったお話です。

これだけ聞くと、「な~んだ 普通のゲームマンガじゃないの?」、思われるかもしれませんが、それだけにとどまらないのが、この作品のすごいところなのです。とにかく熱いのです。はじめは「たかがゲーム」と深町君も読者も思っているのですが、読み進むうちにこの不思議な熱気に感染し、一緒にゲームをしているような感覚になり、いつしか熱いものが胸にこみ上げてくる…といった感じでしょうか。

とよ田みのるの描く絵もユニークで、太い線でポップに描かれた人物や背景は、決してリアルではないのですし、ヒロインの山田さんも、かなり変なキャラですが、呼んでいるうちに、これがどんどん魅力的に見えてくるんですね。これは驚きでした。コロコロコミックに代表される少年マンガの熱気と楽しさをそのままに、青年マンガを楽しく描いた作品、とでも言えば良いのでしょうか。とにかく不思議な魅力に満ちた作品です。とよ田みのるは、現在「アフタヌーン」誌に、「友だち百人できるかな」という作品を連載中ですが、これもまた同様の魅力を持っていて、毎月楽しみに読んでいます。

ところで、この作品を読むと、無性にピンボールがやりたくなります。ゲームセンターに行かない私は、ウインドウズXPのおまけについている「3Dピンボール」でがまんしていますが、パソコンのゲームでは「揺らし」ができないんですよねえ…物足りない。山田さんや深町君みたいに、ガツンと台を揺らしてみたいぞ!

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